医療法人ル・ブランの事例

おぎはら歯科医院
横浜市中区にある、日本口腔インプラント認定医が在籍する歯科医院。
2007年5月に医療法人 ル・ブラン(おぎはら歯科医院)開業、2016年5月に現在地に移転。
移転後すぐに「横浜山手キッズデンタルパーク」を併設。従業員は歯科医師5名、歯科衛生士10名を含む、計20名。

神奈川県横浜市中区の「おぎはら歯科医院」の理事長・萩原 光貴 様に、行政書士柏崎幸一法務事務所を活用した経緯と評価について、お話を伺いました。

前任の行政書士が手続きに失敗、柏崎法務事務所に深夜の緊急依頼

診療所を拡張しようとした経緯を教えてください。

今お話ししているここは、建物2階にあるキッズクリニックです。ここの1階には大人向けのクリニックを開設しています。

ここに移転する前は、道を挟んで向かいにある建物の1階に、以前のクリニックがありました。そこが手狭になったので、診療所を大きくしようと考え、顧問税理士に相談していました。
当初は、今のように同一の建物の1、2階に移転するのではなく、以前のクリニックを増設・拡張して、ここの1階をキッズ向けクリニックにする予定でした。良い小児歯科のフランチャイズに出会えたことと、大人の患者にくわえ小児の患者も多かったので、増設するなら小児歯科にしようと考えたからです。

つまり「大人用と小児用が向かい合わせにある一つのクリニック」という形で、診療所を拡張する計画でした。
なぜ向かい合わせにしようとしたかというと、開設責任者は一人で済む方が現実的でしたし、道を挟んで2軒のはずなのに1軒のほうが、インパクトが強いと思ったからです。

当初は柏崎法務事務所でなく、別の行政書士さんにご依頼されてたんですよね?

道を挟んで増設というのはなかなか難しいので、医療専門の保険業者の紹介で、そういった難しい案件を通すのが得意だという行政書士の先生を紹介されました。その行政書士は、診療所の拡張手続きで簡単にできると言っていました。

前任の行政書士は、法的手続きに失敗したというお話ですが……

開業予定の2カ月くらい前には、その方が交渉しているという話でした。それが突然、横浜市の医療安全課の課長から連絡が来て「(うちが依頼している)行政書士の先生から連絡が来ているのだけど、難航しています。理事長はその内容について報告を受けていますか」と聞かれました。
そういう報告は受けていなかったので、横浜市の医療安全課に行って話を聞きました。結果、道を挟んだ増設はできないという話だったんです。

増設ができないことがわかった時点で、開設予定までほぼ2カ月でした。今開業している建物1階の不動産契約も終わっていて、銀行の融資も決まり、キッズ向けクリニックのフランチャイズの契約終わっていました。設計も終わり、設計料も支払っていました。ですから本当に驚きました。

そこから柏崎法務事務所にどのようにたどり着かれたんですか。

銀行融資のことがあったので、顧問税理士にすぐに連絡しました。融資の枠は組み直すことになったのですが、このままだとまずいということで、税理士の先生経由で、その日のうちに平成26年から決算届け作成をお願いしていた柏崎法務事務所にお願いすることになりました。

柏崎法務事務所の対応はどうでしたか。

そもそも、夜10時も過ぎた時点での急な依頼でした。その後、深夜の2時、3時になっても顧問税理士とやり取りをしていただく状態でしたので、本当に助かりました。

次の日も、診療中も携帯電話を持ちながら何度も柏崎法務事務所に連絡しました。相当悩んで移転を決めましたので、そういった緊急対応すべてが本当に心強かったですね。

1日の遅れが倒産を招く・・・緊急対応はこのように行われた

緊急対応の具体的な内容について教えてください。

夜10時すぎに依頼して、(1)「新しく分院長を立てて向かいに新規に1軒クリニックを開業する」か、(2)「元のクリニックをなくし、診療所を移転する」かという、提案を早々に頂けました。
すぐに選択肢と、そのメリット・デメリットをご説明いただけたことで、(1)と(2)で予算などがどう違うか、税理士の先生に急いで検討してもらうこともできました。
すでに契約が終わっていた向かいの建物の2階を賃借できるか、その場合の賃料は?といった、最速で確認すべき事項も整理できました。

(1)を選ぶと保険診療の開始時期の問題があって、1カ月開設が遅れてしまうんです。フランチャイズの空ロイヤリティや空人件費の問題が出てきます。
(2)を選ぶと空ロイヤリティや空人件費の問題が発生しませんが、元のクリニックをスケルトンにして移転するための、予定になかった退去費用400万円もかかります。
柏崎先生、顧問税理士、設計士に諸事を確認しつつ、(2)を選んだのは大きな決断でしたね。
見積もりも取りなおし、銀行の融資もほぼ倍になることがわかりました。

ちなみに、違約金を払って不動産契約など全部を白紙に戻す方法もありましたが、1千万、2千万くらいの損となったはずです。それも笑って言える金額ではありませんが、医師の先生だけで5人の雇用がすでに決まっていました。ですからその時点で、白紙に戻すことは考えられなかったですね。

元々の行政書士との契約はどうなさったんですか。

お電話で解除しました。報酬は発生しませんでしたが、実は最初から柏崎法務事務所に依頼していれば、元の物件の退去費用は発生しなかったかもしれないんです。

その退去費用を、前任の行政書士に損害賠償請求することも考えましたが、その時点で当初の開業予定だった2カ月後・・・2016年の4月には、到底間に合わないことがわかっていました。そして、遅くとも6月には移転開業できていなければキャッシュアウトです。まずは、キャッシュアウト・・・倒産しないようにクリニックを移転、開設することが急務で、損害賠償請求どころじゃなかったんですね。

柏崎先生に依頼した翌日には、移転という大きなことを決めるくらい待った無しの状態で、とにかく柏崎法務事務所との連日のやり取りを優先しました。

すでに遅れに遅れているのに、間に合わないと倒産という状況での依頼だったんですね。

柏崎)
とにかく順調な経営だったじゃないですか。あの時は本当にびっくりしましたね。

萩原様)
びっくりしました。正直なところ、役所で「できない」と聞かされた帰りには、倒れるかと思いました。

柏崎法務事務所スタッフ)
事態が発覚した日は、ご依頼くださった税理士の先生からも、深夜なのに10分おきくらいにメールが届きました。それくらい真剣な状況でしたね。

萩原様)
融資のやり直しのためには図面が必要ですから、柏崎先生に論点を整理してもらったうえで設計士さんに急遽書き直してもらって、銀行の方も緊急対応でした。医療機器の業者さんも、これじゃまずい!と尋常じゃない動きをしてくれて、急いで機器を揃え直して。みんな必死でしたね。

柏崎法務事務所スタッフ)
先生も、翌日の早朝から印鑑証明を持っていらっしゃいましたよね。あんなにすぐにいらっしゃることは、なかなかないです。

萩原)
5月に開設できないと倒産する、1日のロスも許されない状況でしたから……。

(柏崎先生に伺います。)あまりに時間がない時にはどのように緊急対応されるんですか。

柏崎)
大抵緊急なんですよね。うちは認可率100パーセントですから、難しくて他ではできない案件が、ギリギリに回ってきてしまうところがあるので……。

ただ萩原先生の時は、1日の差がクリニックの存亡に関わりかねない状態でしたので、専任スタッフをおいて、他の仕事をいったん横に置いてでも、とにかく集中してスキームを一気に書類化し、提出しました。

(柏崎先生に伺います。)緊急の引き継ぎならではの、特別な事情はありましたか。

柏崎)
弊所の前にやっていた行政書士が提出した書類の取り下げ処理を、弊所が急いでしないといけないのに、提出済みの書類は返却されないし、役所ではなかなか内容は明かしてもらえません。どんな書類を出したのかわからないのに、役所は前の書類も踏まえて審査していきますので、前の書類と矛盾しない手続きを行わなければならない。
種類も内容もわからない書類の取り下げ手続き、前の行政書士がしたと思われることを予測しての手続きは、やはり難しさを伴います。

萩原先生にかなり詳細なヒアリングをさせていただき、急ぐ中で取りこぼしがないよう、弊所のスタッフが動いていきました。

柏崎法務事務所スタッフ)
弊所は役所の方との信頼関係がありますから、私が行った時には、役所の人も安堵されたんだと思います。速やかに進めようとしてくださいました。

柏崎)
最初萩原先生が役所にお出かけになった時、5人くらいの人が出てきたというお話でしたね。通常は1~2対1なんです。それくらい、要注意扱いをされていたということなんですね。

横浜市に対してもできるだけご配慮いただけるよう、お願いはしていましたが、役所の担当の方にも、口には出されなくても、きちんとされている法人なのにかわいそうという認識があったのではと思います。同じ行政書士として、そのような事態が発生することはとても残念です。

問題を指摘される前に論点を見極めるから、時間と費用を節約できる

書類を提出できて以降は順調に進んだんでしょうか。

建築設計、建築確認でも問題が発生しました。元々が予想外の計画、工事も倍になりましたから、工事そのものも遅れていたんですが。そこに、当初の予定になかった2階を作ったことで、階段の扱いですとか、予想外の問題が起きました。とても、見守れば済むというような状況ではなかったですので、柏崎先生に何度も助けていただきました。

柏崎)
当方では、図面を見れば論点はわかるんですね。立ち入りが入ってから撤去等の対応をするとなると、お金も時間も相当かかりますから、事前に図面協議をした方がいいんです。

ですので、最初から設計士さんにお声をかけました。この場合だと、階段の扱いによって、建ぺい率の問題も発生してしまいます。すると、建築の役所と医療の役所とで、違う対応が必要になるんです。弊所と設計事務所と萩原先生とで相談してから、設計士さんに同行いただき、役所の手続きをしました。

外階段のほかに、柏崎法務事務所が時間や費用を節約した例を具体的に教えてください。

借地権で建てられた建物だったので、役所に出すための土地関係の書類の問題もありました。それも柏崎先生の事務所が解決してくださって、早期契約をすることができました。

1階と2階で開業日が1週間違うのですが、2階のキッズクリニックはデザイン工事ですので、オーダークロスが必要です。それが発注してから出来上がるまで1カ月くらいかかるから、その時点で間に合っていなかったんです。なのにレイアウトの変更を言われると、開業がさらにずれ込んでしまう。

柏崎)
キッズクリニックについては、実はこちらのほうで認可を急ぐために、構造や用途の説明で工夫をさせていただいたところもあるんです。子どもに対する危険性などの論点から説明したところ、市側も協議のうえ認めてくれました。

看板についても、問題が生じました。医療の看板って、正式な名称しか書けないんですね。都道府県によって違う点でもあるのですが、横浜市は厳しいんです。ですから看板にについても、市とのやりとりがありました。急ぎの認可を求めているので、とにかく事前に論点をクリアにして進めていきました。

柏崎法務事務所スタッフ)
定款変更の認可のあとでしたが、厚労省から特別な通達が出ました。たまたまですが横浜市よりこちらのほうが把握が早かったので、役所との図面交渉で利用したんです。

すると、通達後の第1事例だったので、動線に関する指摘が入りました。そこを通すために、構造の運用説明書を弊所のサービスで作らせていただきました。そうやって事前に説明しておくと問題視されないので、のちのちのチェックがスムーズになります。

萩原)
その書類のことは知らなかったです。ありがとうございます。

行政書士の選び方について、アドバイス

(柏崎先生に伺います。)たった2日で認可されていますね?

柏崎)
本申請は、建築の完了検査が出ないとできないんです。なので、それ以外の細かい審査は全て終え、あとは建築物が建つのを待つばかりの状態に持って行きました。

役所の方にも事前にお願いし、出したその場で、別の部署に書類を回していただけました。事前準備および市との信頼関係があることが大きいですね。

(萩原先生に伺います。)最初から柏崎法務事務所に頼んでおけばよかったと思われませんか?

思いますね。プロフェッショナルの事務所が横浜にあってよかったです。

柏崎先生のおかげで、今のような形で移転開業することになったのですけど、今思うと移転して良かったです。移転したぶん下の成人のユニットの数を増やせましたし、2階のキッズクリニックに来た親御さんが下に降りてきますので、全体的に患者さんが増えました。大人と子どもで相乗効果があるので、向かい合わせよりも良かったかなと思っています。

他のお医者様に、行政書士を選ぶ際のアドバイスはありますか。

前任の行政書士は、紹介あっての依頼でしたが、もともと向き合って一つの医院を開設できるという話だったのでお願いしたんです。できないということであれば、もちろんお願いしませんでした。

一般的に、資格を持っていれば何でもできると思うじゃないですか。
でも、行政書士さんにはそもそも得意分野があって、専門外のことは不案内であることがわかりました。これから行政書士さんにお願いする方は、誰かの紹介で、得意分野の方を頼むのが一番いいと思います。

柏崎)
そもそも行政書士って専門の種類が3000くらいあるんです。行政書士という資格を持っていてもそれぞれ別人ですし、結局内科と歯科くらい違うんです。

医療法人のことができる行政書士は、神奈川県の中でもそんなに多くないんですよね。自分の専門じゃないのに引き受けた最初の行政書士の方は、そこまでご専門ではないから都道府県ごとによっても難しさが違うことをご存知なかったのだと思いますね。

ホームページだけなら、いくらでも綺麗に作れるんです。だから初めてのご依頼で、その人の得意分野を見分けるのはとても難しいですが、たとえば医師の先生の生の実例による感想がたくさん載っているホームページを見つけて参考にすれば、背後にその数十倍の成功例があると考えていただけると思います。

他のホームページをみてみると、実績や実例をあげているウェブページはほとんど無いと思います。
きれいなホームページはすぐにつくれますが、詳細な実績・実例をのせたウェブページは、本当に実績がないとすぐにつくれませんよね。

萩原先生が、次に行政書士さんにお願いするとしたら、どうされますか。

柏崎先生しか考えられませんね。柏崎先生でなければ、今回の手続きは無理だったと思います。そもそも開業が5月から6月に遅れるだけで、人件費と家賃を含めた運転資金で1000万くらい損して、倒産するだろうと思っていましたから。

大変難しい手続きを無事行っていただけて、倒産を免れるばかりでなく、今では新規出店も考えるくらい順調です。
今回の柏崎先生の代行料金は、たとえ200万を超える金額がかかったとしても、私は安いと感じたでしょうね。

荻原先生、本日はお忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。

法人名医療法人 ル・ブラン(おぎはら歯科医院)
開業2007年
科目歯科、小児歯科
代表理事長 萩原 光貴 様
所在地〒231−0846 神奈川県横浜市中区大和町2−48
URLhttp://www.ogihara-dental.jp/